深淵病棟

　目を覚ますと、僕は鉄格子の病室にいた。


　昭和恐慌の時代が舞台のレトロサイコノベルです。
　知らないうちに精神病院に入院させられていた主人公は、自分が病気であると信じることができず助けを求めるのですが……。
　何が真実で何が嘘で何が狂気なのか。シナリオを進めるごとに明らかになったり変わったりします。公式サイトに攻略がありますが、シナリオは１から順にやって問題ないと思います。
　白黒の背景と活動写真のようなノイズのおかげで、不安な気持ちになること間違いなし。効果音がちょっと大きくてびっくりしたので、下げておくといいかもしれません。
　最後のシナリオが一番狂気を感じさせると思います……純粋な狂気なんでしょうかね。

　作者さんも触れていますが、心の病気に対してかなりきつい表現がでてきます（キ※※イとか……）。そこはフィクションかつ昭和初期のお話、ということで。


【ワードワード】
http://www.h7.dion.ne.jp/~wordword/index.htm

湖岸の盲点～小此木鶯太郎の事件簿～

　「確信しています……、あなたが犯人なんです」

　「古畑任三郎」のような犯人視点の本格推理サウンドノベルです。
　湖のリゾート開発を止めるために殺人を犯した犯人と、一見冴えないが抜群の推理力を持つ小此木刑事が対決します！
　このゲームは問題編と解答編にわかれていて、問題編で得た情報から、犯人の犯した４つのミスを指摘すると抽選で商品がもらえたのですが、残念ながらついこの間締め切ったばかりでしたorz

　物語は犯人「芦国暁人」の視点で進行します。問題編では殺人を犯すまでの過程、犯行の一部始終、犯行後の小此木の追及が描かれ、解答編では問題となる「４つのミス」が明らかにされます。
　本格推理を名乗るだけあって追求は極めてロジカル。穴も隙も無い推理は鮮やかで、画面の前で関心してしまいました。自分の推理は……３０点くらい？　４つのうちの一つをカスり、あと一つはドンピシャ、残り二つはさっぱり思いつきませんでした。犯人視点故に生まれる盲点にしてやられた感じです。
　対決、とはありますが芦国の言い訳がどこまで通用するのか、といった感じです。段々苦しくなっていく芦国を見ていると、もっとやれ、と小此木を応援したくなりますｗ残念だったのは女性インストラクターの立ち絵があったのに出番がほとんどなかったことくらいで、凄くおもしろい２時間ちょっとを過ごさせてもらいました。

　小此木刑事は（最初名前がなんて読むのかわからなかったけど）いいキャラしてるのでシリーズ化して欲しいですね。その時は本気で挑戦してみたいですｗ

【安楽椅子犯人】

ＺＯＤＩＡＣ２

「最後の審判ははじまったんだ。もう引き返すことはできない」

　人気ホラーＡＤＶ「ＺＯＤＩＡＣ」の続編です。
　主人公ディーン・アルムは「過去の清算」のために故郷ゾウディアックを訪れます。
　やがて次々と不可解な出来事が起こり、異形の化物が襲い掛かってきます。
　果たしてここは悪夢か現実か――。


　前作から大きく変わったものの一つが戦闘システム。
　単純な選択肢式、前後の概念を取り入れた直線マップ、８方向に移動できる平面マップ、とバリエーションが増加しました。序盤で戦闘のレクチャーが受けられるのでやっておくといいと思います。
　リドル（謎解き）と戦闘の難易度も変更可能です。
　１週目は５箇所のポイントを全て探索しなければいけませんが、２週目は「ショートモード」を選択すると３箇所の探索で済みます。最初はリドルをビギナーにしておくのもいいかもしれません。
　謎解きはビギナーにすれば大したことない（当たり前？）ですが、ノーマルにすると前作を彷彿とさせる難易度に頭を悩ませること間違いなしです。

　グラフィックも大きく変わり、写真から絵に変更されたのですが……このためにあまり怖い感じがしなくなったと思います。絵の柔らかいタッチがそうさせるのかもしれません。怪物もプレデターみたいな概観になって、恐怖度が薄れた感じです。

　ホラー要素は薄れたものの、ＡＤＶゲームとしてはかなりの完成度を誇ります。キーとなる条件によってエンディングが変化するので是非コンプリートしてみましょう。
　また、現在「ＺＯＤＩＡＣ３」も制作中とのこと。体験版の公開に期待です！


【ゾウディアックシリーズ公式ＷＥＢサイト】
http://www.zodiac-series.com/

レミュオールの錬金術師

「今日も一日、頑張りましょ……」


　商品の仕入れや販売をしながら借金完遂を目指す店舗経営型シミュレーションゲームです。
　お金にルーズな主人公のティコは、ある日多額の借金を弟子のルヴェルに見つけられてしまいます。
　自分の手で返済するよう厳命されたティコはお店を開いて返済を試みるのですが……。

　システムは簡単で、基本的に商品を仕入れて売り棚に並べ、お客さんが買ってくれるのを待つだけです。序盤は売り棚も倉庫も狭いし商品の値段も安いので利益は微々たるものです。お金が溜まったら特定の日に売りに出される果物や薬草を買ったり新聞を契約するのもいいかと思います。
　一つの商品を一定数売ると「自動仕入れ」や「加工」ができるので、お気に入りの商品はどんどん売りましょう。加工品を売れるようになると粗利益が跳ね上がりますｗ　
　キャラクターが魅力的でイベントも多いので飽きません。夜にお金を借りにきたりおすそ分けを持ってきてくれたり……。

　僕は中盤から薬草と傷薬系アイテムに絞って販売し、すっかり薬局になったところでクリアしました。借金完済が主目的ではありますが、お金持ち向けの商店にしたり食品店にしてみたりと、各々の好みのお店を作るのも楽しいと思います。

　先月にはなんとＤＳ版も発売されました。ＰＣ版からグレードアップして、商品にグラフィックがついたり店内のカスタマイズができたりするようです。ますますコンプリートが楽しみになりますねｗ


【犬と猫】

黒のクロノス

　「……おめでとうございますってば」


　時間の神様と高校生の、短編サウンドノベルです。
　平凡な高校生の前に突然時間の女神（ゴスロリでなくブラロリだそうな）が現れる。１時間だけ止まった世界　の中で、彼は何をするのか……？
　オチはオーソドックスですがうまくまとめた感じ。神様だけど、神様だからしちゃいけないことってあるんですね。主人公の時間の使い方はあまりにもしょうもないけれど、自分ならきっとアレなことに（ｒｙ。

　作者さんは西尾維新が好きに違いない！と思ったらその通りでしたｗ
　１時間弱で終わり選択肢もないので、気軽にプレイできますよ。


【ゆいしき思想】
http://yuisiki0000.web.fc2.com/index.html